映画と本と、珈琲と。

主に映画と本についてのブログです。

📖『夫のちんぽが入らない』こだま+もう一冊!📖

まずはこの本。

タイトルが凄い。

『夫のちんぽが入らない』

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いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。
何も知らない母は「結婚して何年も経つのに子供ができないのはおかしい。一度病院で診てもらいなさい。そういう夫婦は珍しくないし、恥ずかしいことじゃないんだから」と言う。けれど、私は「ちんぽが入らないのです」と嘆く夫婦をいまだかつて見たことがない。医師は私に言うのだろうか。「ちんぽが入らない? 奥さん、よくあることですよ」と。そんなことを相談するくらいなら、押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひっそりと生きていくことを選んだ。(本文より抜粋)

 

 

■エロばかりを優先して手に取るとしっぺ返し。 

人には色んな出会いがあり、それぞれの愛のカタチがある。

ただ、この本の内容は確かにタイトルからして『性交渉』を

テーマとして描かれているが、こだまさんのこの著書に限っては

そこだけではない。

 

むしろ、その部分こそが添え物である、と言った雰囲気に

仕上がっている。

 

実際に入らないのだから仕方ない。

入るか入らないかの問題ではなく、入る事が当然とされる

その行為で犠牲になる人の気持ちというのもある。

 

それさえ出来ない自分、愛する人さえ受け入れられない自分、

そこで人は葛藤する。自尊心なんて地の果て。

人が出来る事が自分には出来ない、そこに伴うものは。

A.「私なんか」になりやすい。

 

そこでこだまさんはひとつの答えを見つけるのだ。

それを隠して生きる事や、言い出せない周囲からもたらされる状態、

『果たして人と違うという事は、恥じるべき事なのだろうか』と。

 

その頃、教職に就かれていた事、そんな中で

色んな個性のある子に出会われる。

読んでいて辛くなる様な教育者としての日々もあるのだが

常日頃感じておられる『色んなタイプ』『十人十色』の感覚が

教育者として、現場で子供たちと向き合う上で

必要な感情であるな、と。

 

何かに真剣に悩む事も、無駄ではない。

誰にも理解されなくても、それはそれで人を養う。

悩みが色々と功を奏していく状態は快進撃に近い。

 

同時に、教育現場に就くという事の難しさ、

教育者も一人の人間である、という事を教えてくれる

素晴らしい本であった。

 

何より教育者である立場として、こういったタイプの

プライベートな事を公表なさる事はタブー視されがちだが

それこそが

『こうあるべき』の型にはまっているではないか!

 

色んな形があって良い。

恋愛も生き方も、自由があって良いではないか。

その人生はその人にしか生きられない。

それって素晴らしい事で、自分の人生を恥としたら

誰がその生を歓迎してあげるのよって話で。

 

その後、大病を患われているらしく病名はお出しになって

いませんでしたが、同じ症状の病を訴えられる難病の方を

何人か知っているので、お大事になさって頂きたいな、と。

 

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない

 

 この本の中でひとつだけ残念に感じた事がある。

 

ただ、一点。

こだまさんは、同じような方がいないかを必死になって

探される場面がある。

 

でもそんな状態の方は発見できず終いであった。

 

今回のこの著書で「そういう人間もいる」と世に知らしめた

わけだけど、個人的にはそういう方も確実に存在なさると

思うので、夫婦間で子を持つ・持たないにかかわらず

医学的に解明しておいて欲しかったな、と思うところ。

 

与えられないのであれば、与える側に周る、など

その時にはそんな余裕も持てなかったのかもしれないが

そこはとても残念な部分だな…と思いました。

 

そういう方の希望の星になるっていうのも、ひとつの

在り方かな。

 

===

 

さてここからは、この問題に関する話。

 

特定の人の物が入らない、と言った状態は聞いた事がないが

はるか昔、そうなりかけて、性交渉を拒んだ方がいた。

 

その方は妻子もおられたので、女性側からすると

与えられる甘い言葉も『遊び』の範疇だと思っていた。

 

が、なかなか、そうなりそうで、そうならない。

その展開が、甚だ気になった。

 

妻子もいる、甘い言葉は発する、そのくせ手は出してこない!

愛に飢えてんのか?お前のとこ、ひどい状態なのか?

……と色々考えたりもしたが、どうやらそうでもないらしい。

 

私に一体何をお求めで!

 

そんな状態で過ぎていったある日、私は一言

『何があっても手ぇ出してこないなんて、真面目っすねw』

(上司だったので↑)

 

と言ってみたら、自分の物に自信がない、見せられない

と仰った。私はそれを"小さい"という意味で捉え

「えー見せて!見せて!」

なんて若さ特有のバカっぽさでワァワァ言っていたら

笑わないか、他言しないか、と尋ねられた。

 

既にいま、こうしてブログで全世界に発信している事を

許して頂きたいのだが、どうやら、ある種の奇形であった様で

見せて頂き絶句してしまい、そこから何故かちんぽを励ます

という状態になったのを思い出す。

 

心はとても優しい方であった。

奥さんがあなたで良いとされたのも理解できるし

体外受精であったのだとしても可愛い子にも恵まれて…

そんな方を隣においてよそで甘い言葉売るなんて

お前は何を考えてるんだ、ふざけんな、となって

結果的に、この腐れちんぽ!外道すぎんだろ!

となった訳だがww(結局、ひどいw)

 

そういう方もいらっしゃるので

著書を読んで、個人的にはそんなに驚きはなかった。

 

ちんぽだけにテンポよく、軽いタッチで壮絶な事態を

描く、この感じがあの著書の素晴らしいところです。

 

ついで、もう一冊。

『ここは、おしまいの地』

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こだまさんの二作目となるのですが、こちらも続けて

読みました。

 

こだまさんがちんぽの入らない結婚生活に至るまでと

これからを描かれた作品です。

 

やっぱり「入らない」を読んでからこちらへ移行した方が

「入らない」問題があってこそ理解できる云々もあり…。

 

ですので、入らない方を先にお読みになる方がベストかと。

 

こちらも軽快なタッチで家族や生まれ育った土地への

気持ちが綴られております。

 

が、短編集だから仕方がないのか、文のくくり方が

一辺倒になりやすく、それをすると、ページをめくる手が

とまりがちになってしまう、という。

 

(いえ、こだまさんの心の在り方や考え方は好きなのですよ!

ここは惜しいなぁと思うところなのです。

ってお前何目線なんだよ!おこがましいわ!って話なんだけど)

 

基本的に飛ばし読みをするのが嫌いなんですね。

どうせ読むのなら、汲み取れそうにない全てまでを汲み取りたい!

何故なら描かれた方は一生懸命取り組まれているのだから!

 

そういった私の勝手な熱さから感じる事です。

ので、よそ様は楽しまれるには違いない!

 

そもそも二冊をいっぺんに購入してしまえば

レジでの恥ずかしさは薄れる戦法です。(ここ推し)

 

 

ここは、おしまいの地

ここは、おしまいの地

 

 

 

タイトルが恥ずかしいという方もおられましょう。

私は全く気にしないですが。

 

なんなら平気な顔で、加藤鷹の「エリートセックス」も

購入しましたが。

 

エリートセックス (幻冬舎新書)

エリートセックス (幻冬舎新書)

 

 舟を編むでお馴染みの三浦しをんさんも推しておられました。

結構真面目な本なのですよw

だいたいあんまり不真面目な気持ちで本なんか書けなひw

 

人は色んな気持ちを抱いて、道を歩むもので

何がいいとか悪いとか、そんなものに囚われず

自分も相手も気持ちよい関係であれば

肉体まで無理やりつながる必要はない、

個性を尊重、言論も尊重、

赦しを持ってなんぼです💓

 

こだまさんの二冊、とても読みやすくて良かったですよ!